天声人語の要約で国語力を養います

天声人語の大意要約

灘学習院では、小学校5年生以上の全生徒を対象に、『天声人語』を読んであらすじにまとめる宿題を課しています。宿題には次の2つのルールがあります。一つは、603字で書かれている原文を、250~300字で要約すること。もう一つは、毎週2つずつ、継続的に取り組むことです。ルールを守らなかった生徒は、授業後に居残り『天声人語』の原文を、ていねいに書き写さなければなりません。

『天声人語』は、時事的話題をテーマに、独自の視点で書かれた良質の教材です。それを読んで大意を把握し、自分の言葉でまとめる取り組みは、読解力と表現力を高めるよい訓練になります。

 

大切な親子での意見交換

子どもが宿題に取り組む際には、保護者の協力をお願いしています。といって難しいことを求めているわけではありません。保護者にお願いするのは、子どもに質問することです。

『天声人語』を読んだ子どもに「どんなことが書いてあった?」「読んでみて、どう思った?」などと、子どもに問いかけてほしいのです。できれば、子どもの意見に対して「お母さんは、こんなふうに思ったよ」とか「このような考え方もあるんじゃないかな」などと別の視点からの意見を出してあげてください。
違った切り口での考え方は、子どもの考えを深める刺激となります。「なぜ、お母さんはそんなふうに思うのだろう?」と、子どもが疑問に思えばしめたもの。子どもの頭はさらに回り続けます。

この作業を繰り返すうちに、子どもは自分なりのこだわりや疑問を持って、文章と向き合うようになります。書かれた文章をまずは受け入れる。その後で、受け入れたテキストを批判的に読み込めるようになるのです。

 

603字を一行にまとめる力を養います

大意要約とは、読んだ文章の内容に基いて、自分が考えた結果を自分の言葉で文章化する作業です。要約することにより、内容に対する理解が深まります。

もう一つ『天声人語』を利用して読解力を高める練習法があります。最初は、元の文章を半分にまとめます。これができれば、次は100字に絞り込んでみる。最終的には、一行だけを抜き取るならどの文章かと考える。一行だけでは意味がわかりにくい場合には、どのような文章を補えば、書き手の主張が伝わるかを考えさせる。『天声人語』をはじめとする新聞朝刊のコラムを使えば、読解力を高めることができるのです。