わかりやすく「教える」ことはしません

わかりやすく教わることの落とし穴

灘学習院では、問題の解き方を生徒に一方的に教えることはありません。塾の役割については、難しい問題の解き方を、子どもたちにていねいに説明することと思われている方が多いでしょう。その意味では、私たちは他の塾と明らかに違います。
教えない理由は、子どもの頭を動かすためです。わかりやすく教わっているとき、子どもの頭はほとんど動いていません。聞いているだけで、わかった気になるのだから、考える必要はなくなります。

頭が動いていないから、聞いた瞬間にはわかったつもりになっても、その内容は頭に残りません。だから、学校や多くの塾では、忘れないために練習問題を解かせます。教わったばかりの方法で問題を解くのだから、考えなくともほとんど機械的に解けるでしょう。けれども、そんなことをいくら繰り返しても、頭は柔らかくなりません。

 

わからないと思った瞬間が最高の機会

わからないから、わかりたいと思う。これは自然な反応です。わからない状態に人は居心地の悪さを覚え、何とか解消したいと思う。その瞬間に頭が動き始めます。ここで教えてしまうと、頭は動きを止めます。

私たちの思考教育では、算数や数学の難問を考えます。教室の様子を、ぜひ動画で見てください。授業で教師が問題を一方的に解説することは、まずありません。それでも、子どもたちは一生懸命に考えています。

なぜ、子どもたちは考えるのでしょうか。考える楽しさを、多くの子どもが知っているからです。あ~でもない、こ~でもないと試行錯誤する。そのとき頭は高速回転しています。このように頭を使う楽しさを覚えると、放っておいても自分で考えるようになります。

 

教えるのではなく、考える手伝いをします

灘学習院での教師の役割は、子どもたちが考え続けられるようにサポートすることです。子どもたちの集中力を持続させるのは、単に解説するよりよほど高い技術が必要です。わかりやすく解説して教えるのは、それほど難しいことではありません。小学校なら科目ごとに、先生用の参考書が用意されているほか、多くの塾でも同じようなマニュアルがあるはずです。

けれども、それらを使って、いくらていねいに教えても子どもの力は伸びません。むしろ教えれば教えるほど、わかりやすければわかりやすいほど、子どもの頭は止まってしまいます。だから、灘学習院では教師に、子どもたちの頭を動かし続けるための研修を徹底しているのです。